山と海とカリオカと

リオデジャネイロは、2016年に南米大陸で初めてオリンピックが開催された都市として記憶に新しいね。
また、「山と海との間のカリオカの景観群」として2012年に世界遺産登録されている。
コルコバードの丘やコパカバーナ海岸一帯の景色全体を指すみたい。

そんな素敵な街なら、ちょっと行ってみようかな。

でも、リオデジャネイロと言えば何と言っても「リオのカーニバル」だよね。
生で見たい気持ちはあるけれど、あえてお祭りの時期を外して行こうかな。
だってカーニバルの時の人出は半端ないみたいなので、人でごった返す混雑が大嫌いな僕としては、出来れば避けたい。

ということで、あえてカーニバルを避けてリオに行くのだ。
正真正銘のアマノジャクだもん。

・ケーブルカーでコルコバードの丘へ
・ポンデアスーカルからコパカバーナ
・スケールがでっかい
・普段着のリオの街

日本からリオデジャネイロへは直行便は無い。
北米かヨーロッパの都市経由で大体35時間前後かかり、さすがに日本の反対側は遠い。

飛行機が着くリオデジャネイロ国際空港(旧ガレオン国際空港)は、正式にはアントニオ・カルロス・ジョビン国際空港で、市の中心までは約20㎞と近い。
ちなみに、空港の名前は「ボサノバの父」と呼ばれた地元出身の作曲家アントニオ・カルロス・ジョビンにちなんだもの。

ケーブルカーでコルコバードの丘へ

リオデジャネイロは人口650万人(2016年)で、サンパウロに次いでブラジル第2の都市。
日本の姉妹都市は神戸市。

現在のブラジルの首都はブラジリアだけれど、1960年まではここリオデジャネイロが首都だった。

ちなみに、植民地時代の1808年から1821年の間はポルトガル本国がナポレオンに占領されたため、リオデジャネイロがポルトガルの首都だったのだそう。

リオデジャネイロに観光に来た人が必ず行く所が、大きなキリスト像がある「コルコバードの丘」。

標高710mの丘の上に立つキリスト像は高さ39.6m・幅30m・重さ635tで、ブラジル独立100周年を記念して10年の歳月を掛けて1931年に完成したもの。
ただし、独立したのが1822年なので、像の完成時には既に独立109周年になってしまっていた。

両手を広げた姿は、広く温かい心を表しているんだって。
像の台座部分の中は礼拝堂になっている。

ちなみに、このキリスト像自体はアメリカの自由の女神像と同じくフランスで制作され、それを運んできて台座に乗っけたもの。

コルコバードの丘へは歩いても行けるけど、麓からケーブルカーを利用するのが、楽で安全なのでお勧め。

コルコバードの丘の展望台から南方向の眺め。

中央の小高い三角山の向こう側あたりが、イパネマ海岸とレブロン海岸。
左に見える公園のような場所は競馬場。

これは東方向。
右の方の海岸線がコパカバーナ海岸、左の小高く突き出た大岩がポンデアスーカル。

その左方向にグアナバラ湾が広がっているんだけれど、1502年1月にポルトガル人が初めてこの地にやって来た時、湾の入口が狭かったため大きな川の河口と勘違いし、その為ここを「リオデジャネイロ(1月の川)」と名付けたのだそう。

また、ポルトガル人は海岸に白壁の家を建てて住んだことから、先住民トゥピ族はグアラニー語で彼らのことを「カリオカ(白い家)」と呼び、それが現在でも「カリオカ」=「リオデジャネイロの人」となっているのだそう。

ポンデアスーカルからコパカバーナ

コルコバードの丘の眺めもいいけど、ポンデアスーカルからの眺望も捨てがたい。

この高さ396mの巨大な一枚岩がポンデアスーカル。

麓から高さ220mのウルカの丘を経由して2台のロープウエイを乗り継ぎ、それぞれ約3分の乗車で頂上に到着。

ポンデアスーカルとは「砂糖のパン」の意味。
かつて砂糖を輸出する際に円錐形に固めたことから、岩がその形に似ているのでそう命名されたのだそう。

ちなみに、ここは映画「007ムーンレイカー」のロケ地になったことでも有名だね。

ポンデアスーカルの頂上からの絶景。

右手前がロープウエイの中間地点ウルカの丘、左端の弓形になった所がコパカバーナ海岸。
なお、ロープウエイが苦手という方は、ロッククライミングで自力で登ることもできるので、お好きな方はどうぞ。

そして、南には大西洋、東から北にかけてはグアナバラ湾と世界三大美港が望める。

ちなみに、世界三大美港はリオデジャネイロ、シドニー、ナポリなんだそう(諸説あり)。

ウルカの丘からは遊覧ヘリコプターが出ている。
奥の方のポツンと突き出た所がキリスト像のあるコルコバードの丘。

ちなみに、ブラジルは個人所有のヘリコプターの登録台数が世界有数なのだそう。

自家用ヘリで来た時はここに停めるのだろうか?
いや、それは無いかな…。

長さが4㎞もあるコパカバーナ海岸。
年末に年越し花火大会なんかで超盛り上がるスポット。

中央に見える海岸の先端がコパカバーナ要塞。
コパカバーナ海岸はフットバレーなどのビーチスポーツやボサノバなどの音楽の発祥の地としても有名。
要塞の先は、ボサノバ「イパネマの娘」で知られるイパネマ海岸。

コパカバーナ海岸が観光客に人気の場所なので人も多くとても華やかな場所。
これに対して、イパネマ海岸はやや波が高いこともあるけど地元の人たちが多く、比較的空いているみたい。
ビーチでのんびりするのには、イパネマ海岸の方がお勧めかも。

ちなみに、リオデジャネイロにはビーチが全部で27カ所あるそうな。

スケールが大きい

コルコバードの丘のキリスト像やポンデアスーカルの一枚岩もでかいけれど、他にもリオデジャネイロには大きいのがあるぞ。

写真だけだと上が細くなったビルかな?という感じだけれど、実は1976年にできたリオデジャネイロ最大のカトリック教会「カテドラル・メトロポリターナ」。
ピラミッドのような外観はとても教会には見えないね。

高さ96m、底辺直径106mの円錐形の教会内部には巨大なステンドグラスがあり、その美しさに息をのむと共に外観とのギャップに驚く。
収容人数は着席では5000人だけど、スタンディングだと何と2万人だそう。
まさにスケールが違うね。

リオデジャネイロの守護神サン・セバスチャンに捧げられた教会で、正式名称はサン・セバスチャン大聖堂。
2013年にはローマ法王も訪れたのだそう。
地下には貴重な彫刻や壁画が見られる宗教美術館もある。

サッカー大好き人間の僕として絶対に行っておきたかったのがマラカナンスタジアム!

1950年のワールドカップのために建てられたもので、収容人数は当初20万人あったけど1992年の落下事故を受けて、現在は約8万人に縮小された。

とはいえ世界屈指の巨大スタジアムは、実物に足を踏み入れると実に大きい!

サッカーの神様ペレが通算1000ゴールを決めたブラジル最大のスタジアムは間違いなくサッカーの聖地だね。

スタジアムのエントランスには歴代の名選手の写真があり、また床には歴代ブラジル代表選手の足形も飾られていて、どれもサッカーファンにとってはたまらないね!

普段着のリオの街

サッカーの聖地を堪能したので、あとはリオの街をちょっと見てみようかな。

何だ、この寂れた通りは?と言う感じだけど、リオのカーニバルのメイン会場となる「サンポードロモ」がここ。
ただの道路にしてはナイター照明が異様に多いのが分かるよね。

カーニバルにはこの会場を中心に1組3000~5000人のチームが何十組も出場する。
そして100万人以上の観客が世界中から集まるわけだから、そりゃあもう大変な混雑だ。

幅13m、長さ700mの巨大なステージがあり、この会場だけで9万人もの人が観覧できる。
観客席はセトールと呼ばれる数千円の一般席から、フリッサと呼ばれる数百万円のVIP席までピンキリ。

サンバチームはコンテストで競い、優勝チームには3億円とも4億円とも言われる賞金が出るらしい。
ただし、各出場チームは山車と衣装に、これまた数億円掛かっているのだとか。

市内にある大きなショッピングモールにも寄ってみた。

フードコートには結構大きいお寿司屋さんがあった。

店名は日本語だけど寿司を握っているのも、他のスタッフも皆ブラジル人なのがちょっと不思議な感じ。
メニューには、アボカドやグァバをネタにした寿司など日本人が発想しないものもあるので、良かったらどうぞ。

リオデジャネイロには、このように丘の斜面に張り付くようにして家(と言うより小屋)が密集する場所がよく見られる。
これは「ファベーラ」と言って、要はスラム街。
その数は1000以上とも言われて実際にははっきりと分からず、警察もうかつには入れないのだそう。
リオデジャネイロの人口650万人のうち4分の1がファベーラに暮らしているといわれている。

リオデジャネイロの治安の悪さは抜群で、日本と比較して殺人事件は27倍、強盗事件は830倍(2016年・外務省)なのだそう。
だから、ファベーラには近づかないように。

それともう一つ大事なことを言っておくね。
万一、危ない目に出くわしても思わず日本語で「待って!」とは絶対に言わないように。
「マッテ」はポルトガル語で「殺せ!」の意味だから。

さて、安全に気を付けながらブラジルをもうちょっと旅してみようかな。

日本の23倍もの広さがある国だから、きっと面白い所が沢山あるだろう。
でも、その前にコパカバーナのビーチでビールかな。

なんちゃって。