オタワと聞いてカナダの首都以外何も思いつかないというあなた!
決して落ち込む必要はありません。
みんな大体そんなものだから。
強いて言えば立派な国会議事堂がある…そんな程度だね。
でもG7(主要先進7カ国)のメンバーでもある大国のカナダの仮にも首都なのに、こんなにも目立たないのは何故なんだろうか?
ここはひとつその謎を探しに行ってみようかな。
それだけの理由でオタワへ?
だってアマノジャクだもん。
日本からオタワへ行くには、直行便は無いので、まずトロントまで行き、そこから国内線でオタワ国際空港まで1時間程のフライトとなる。
ちなみに、空港の正式名称は「オタワ・マクドナルド・カルティエ国際空港」。
カナダの初代首相ジョン・A・マクドナルドさんと連邦の父と呼ばれた政治家ジョルジュ・エティエンヌ・カルティエさんの名前を冠しているのだそう。
空港から街の中心部まではレンタカーで20分くらい。
とりあえず街全体が見渡せる高台パーラメントヒルを目指す。
ここにはその美しさでオタワ一番人気の観光スポット「国会議事堂」がある。
国会議事堂は広い庭園を3方向から取り囲むように3つの建物で構成されている。
これは下院が入る西棟。
議事堂は1916年の大火で図書館棟を除いて焼失したため、1922年に再建された。
ゴシック・リバイバル建築(ネオゴシック建築)の建物は「すごい!」の一言で、オタワ観光の目玉と言っても過言ではないね。
これは議場がある中央棟で、真ん中のひときわ高いのがピースタワーで、ロンドンのビッグベンを模したのだそう。
ピースタワーには高さ93mの市内で最も高い展望台がある。
また、タワーの中には重さ約4kgから10トンの合計53個の鐘があり、平日は毎日正午に鳴らされている。
ちなみに、建物の入口上部には国獣であるビーバーの意匠があるよ。
あまり目立たないけど、行った時には探してみてね。
また、手前で観光客が腰掛けているのは「センテニアル・フレーム」と言って、カナダ10州と3準州の紋章が加入の日付けと共に張り付けられている記念碑。
1967年のカナダ建国100周年を記念して作られたのだそう。
国にとっては結構大事なものなので、椅子代わりに腰掛けたりしていいのかなぁ…。
国会議事堂の中はもちろん、周囲の屋外にもやたら銅像がたくさん建っている。
これは昔のエライ人の像だと思うのだけれど、すみません誰かわかりません。
知ってる方がいれば教えてね。
国会議事堂から歩いて15分程の所に立派な美術館があるということで、そっちに向かってみるね。
ガラス張りの外観が特徴的な「カナダ国立美術館」。
マチス、ゴッホ、セザンヌ、ミレー、ゴーギャンといった現代美術の巨匠たちの作品が充実している。
また、ルイーズ・ブルジョワの彫刻として有名な巨大な蜘蛛「ママン」もあり、一目見た時「あ、六本木ヒルズにあるのと同じだ」と気付いたよ。
ちなみに、ニューヨークのグッゲンハイム美術館やロンドンのテート・モダンなどにも同じ作品があるよ。
建物自体アートと言えるね。
ガラス張りが多いのは冬対策かな?というのもオタワの緯度は北海道の稚内と同じくらいで四季のメリハリがはっきりしてる。
夏の最高気温は30℃くらいになる反面、冬は昼間でもマイナス10℃に届かない日もある厳しい気候の土地。
ということでガラス張りでサンルーム効果を狙ったのかもね。
でも、夏の暑さは大丈夫かな?
国立美術館の向かいに「ノートルダム寺院」があるので行ってみた。
ノートルダム寺院は1841年から24年の歳月を掛けて建てられたオタワ最古かつ最大の教会。
ヨーロッパにある教会と同じように立派なステンドグラスがあり、天井には星座をモチーフにした絵画が描かれている。
横から見ても立派な建築には圧倒されるね。
左に少し見えているのは国立美術館。
教会の中は見学可能だけれど、できればミサの最中は遠慮した方がいいかも。
ちなみに、「ノートルダム」と名前の付いたカトリック教会や学校が世界中に沢山あるよね。
それは「ノートルダム」はフランス語で「我々の貴婦人」、つまり「聖母マリア」を指すからなのだそう。
市内には他にも多くの教会がある。
どれも美しく圧倒されるゴシック様式だね。教会が多いということは、昔から結構人がいたということみたい。
それは「オタワ」という名前の由来が、先住民アルゴンキン・インディアンの言葉で「物々交換」を指し、昔から沢山の人が集まって物々交換をしたと共に、その後ヨーロッパから交易を目的とした人達も多かったからかもね(由来は諸説あり)。
オタワにはオンタリオ州で最初に世界遺産に登録されたリドー運河がある。
リドー運河はオタワ川とオンタリオ湖を結ぶために1832年に造られたもので長さは202㎞もある。
ただし、自然の河川や湖を上手く利用して、実際に掘ったのは19㎞で済んだのだとか。
ここは運河がオタワ川に繋がる場所。
一番奥に見えるのがオタワ川で川の手前がオンタリオ州、向こう側がケベック州。
運河全体では高低差があるので、船をスムーズに行き来させるためにこのような水門を架けて、それぞれのブロックの水位を少しづつ上下させることで船を通していく仕組みが設けられている。
水門は全部で24カ所あるのだそう。
この左岸の先に半分だけ見えている建物が「バイタウン博物館」で、運河について詳しく学べるよ。
運河はこの後方に200㎞続き、途中遊歩道もあり幅の広い所では観光船も運行しいてる。
また、冬には凍結するので一部が無料のスケートリンクとして解放されているのだけれど、その長さが7.8㎞もあり、もちろんギネスブック認定の世界最長。
ウインタールード・フェスティバル(雪まつり)の会場にもなり、ここを使ってスケートで通勤する人もいるらしい。
大きな街とは言えないオタワが首都になったのは、投票でも話し合いでもなく「鶴の一声」だったらしい。
オタワ市内をのんびりと歩くと、さながら地方都市という雰囲気だね。
オタワがカナダの首都に決まったのは1857年。
この時、首都に立候補していたのがイギリス支配下のトロントとキングストン、フランス支配下のケベックとモントリオールの4都市。
しかし、この中のどこが首都になっても国内でイギリス勢とフランス勢の間できっと不仲が生じると心配したエリザベス女王は、これら4つの都市の中間にあった当時人口2万人のオタワに鶴の一声で決定してしまったのだそう。
女王のひと声で首都が決まった時、一番驚いたのは立候補していた4つの都市以上に当のオタワだったのかも。
現在、オタワはカナダ4番目の都市だけど、もっと控え目、言い換えれば落ち着いた大人の街という雰囲気かな。
大きな通りを歩いてものんびりとした風情が感じられる。
この新聞の販売機にさえ気品が感じられるとまで言えば言い過ぎだけれど、何だか分からないホットする感がある。
議事堂以外何も見るべき所の無い都市と思って来たけど、建物も運河も公園も街並みもみ~んないい感じ!
日本でのあくせくした毎日が脳裏をよぎった時、心に思ったね。
もう少し、ここオタワに居ようかな。
なんちゃって。
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