「バリ」あるいは「バリ島」と言えばビーチリゾートとして有名だよね。
ということで、クタの海岸、サヌールでのダイビング、ヌサドゥアのリゾートホテル、はたまたデンパサールのショッピングモールなどの情報・・・かと思った方、ゴメンナサイ。
こんな方向の紹介は一切無し。
今回は、バリの自然や文化について。
だってアマノジャクだもん。
バリ島は、インドネシアの首都ジャカルタがあるジャワ島のすぐ東にある。
バリ島のデンパサール空港までは日本からの直行便で約7時間。
でも時差が1時間なので時差ボケも無く、結構楽に行けるね。
空港からデンパサールの中心、サヌールビーチ、ヌサドゥアビーチなどへもそれぞれ車で20分程度ととても便利。
有名なクタビーチに至っては空港のすぐ側という楽ちんなロケーション。
ちなみに、デンパサール空港の正式名称は、「イ・グスティ・ングラ・ライ国際空港」。
この名前はインドネシア独立戦争で戦った英雄グスティ・ングラライ将軍にちなんだもの。
バリは11~3月が雨季、4~10月が乾季。
昔から観光地として人気のある島だけど、州都デンパサールの街とその南のビーチリゾート群以外は、農地や森林などの自然が豊かに残されている。
デンパサールから車で2時間ほど北に行った所にあるブラタン湖。
湖畔には有名な「ウヌン・ダヌ・ブラタン寺院」がある。
この辺りには高い山がいくつもあり、バリ最高峰の「アグン山」(3014m)も雲を頂きにデンとそびえる(奥に見える山ではない)。
アグン山は1963年に20世紀最大規模といわれる大噴火をしたことで知られるように、バリ島には火山がいくつもある。
火山があるということは温泉もあるということだね。
温泉付きのホテルや日帰り温泉施設などがいくつもあって、のんびりと楽しむことができる。
ただし、日本でいう温泉のお風呂ではなく、要水着の温水プールみたいな感じなので悪しからず。
見るからに自然が豊かだけど、その証拠にこのバリ島には300種類以上の野鳥がいるとのこと。
ブラタン湖から少し下ったあたりにはライステラス、つまり「棚田」が広がっている。
それからもう少し下るとこんなのどかな水田が見られる。
1列に歩いて行くカモが何とも可愛い。
これらの水田を潤すのが山岳地帯の森林から流れてくる豊富な水。
バリの人々は昔から「スパク(スバック)」という水利組織によってこの水を計画的に分配・維持・管理することで農地を守ってきたんだそう。
ひとつのスバクが10~800ヘクタールの田んぼを担当し、バリ島全体では1000以上のスバクがあるそうな。
それにより水の効率的な分配ができ、稲の二期作、時には三期作もできるらしい。
普通の田舎道を普通に走る若者。
バリの一般の人々の主な移動手段は今もバイクだそう。
道路脇の牛も、何だかのんびりとしているね。
インドネシアは国民の9割近くがイスラム教徒だけれど、ここバリだけは住民の9割程がヒンドゥー教徒とのこと。
さらにそれは元々あった土着信仰にインド仏教とヒンドゥー教が習合したもので、インドなどでのヒンドゥー教とは少し違うものらしい。
だから、特別に「バリ・ヒンドゥー」と呼ばれている。
バリの人々は自分が住む土地や先祖神への信仰心が深く、そのため毎日、島のどこかでお祭りが行われているのだそう。
これはお祭りの風景だけれど、「ペンジョール」というココナッツの葉で飾った長い竹を各家庭で掲げる。
「ペンジョール」は先祖の霊が家を間違えずに降りてくるための目印なのだとか。
日本のお盆の灯籠やハロウィンのランタンなどと同じような考えかな。
ちなみに、祭りに限らず集落として何かをする時はみんなで一緒に行うという。
それは「パンジャール」という地域コミュニティに全員が参加しているからだとか。
例えれば町内会みたいなもののような感じだけれど、これによってお互いに争いが起こらず平和が保たれているのかも。
昔から続く地元の精霊信仰により、お祭りの時だけでなく毎日家の前にお供えをするみたい。
ちなみに、バリでは一般的な「グレゴリオ暦」に加えて、太陽太陰暦の「サコ暦(ヒンドゥー・バリ暦)」、1年が30週210日のバリでしか使われない「ウク暦(ジャワ・バリ暦)」と3つもの暦を使用しているので、やたらお祭りや儀式が多い原因のひとつになっているのかも。
空港から1時間位の所にあるウブド近くの村でやっていたパサール(市)。
バナナとパイナップル、もちろんゴミではない、売るためにちゃんと陳列してあるつもり…だと思う。
こんなアバウトなところが僕が東南アジアの1番好きなところなんだ。
なお、子どもはどこにでも沢山いるけれど「いい子いい子」のつもりで頭をナデナデするのはここではNG!
他人の頭に手を置くことはご法度なので、間違いなく怒られるからご注意を。
バリではウブドを中心として昔から、文化・芸術が大きく発展してきた。
それはこの土地が肥沃で水も豊かだったため作物がよく育ち、食べるに困らなかったので、人々は朝夕に数時間働くだけで良かったからだとか。
それで余った時間を芸術や音楽やダンスなどに使ったことで、結果的に文化・芸術が発展したのだそう。
ウブドでは様々な伝統舞踏が催されている。
これは「バロン・ダンス」と呼ばれるもので、獅子の姿をした聖獣「バロン」の舞踏。
バロンは「パナスティ・ラジャ(森の王)」とも呼ばれ、全ての災害を防ぐ能力があるとされているんだって。
善の象徴である「バロン」と魔女の化身である「ランダ」の戦いとして物語が進行していく。
バロン・ダンスはバリ島だけで行われているもので、本来はお寺で行われる神聖な儀式で何時間もかけるものなんだけれど、今は観光客向けのエンターテイメントとして短く演じられているのだそう。
こちらは人気の「レゴン・ダンス」。
華麗な衣装の女性たちがガムランの演奏に合わせて優雅に舞う姿は、見る者全てを非日常の世界へ誘ってくれる。
レゴン・ダンスにはいくつかの種類があるけど、一番多く上演されるのが「レゴンクラトン」。
クラトンとはインドネシア語で宮廷の意味で、レゴン・ダンスは宮廷舞踊として発展してきた。
バリ島独自の「バリ・ヒンドゥー」は、ヒンドゥー教と仏教と土着の精霊信仰が習合したもので、インドネシアの中では特殊な存在だけれど、地元の人たちにとってはそれが生活の基盤と言える大切なもの。
デンパサール市内のププタン広場横にある「バリ博物館」では、バリの歴史・文化・生活などを知ることができる。
ロンドンの大英博物館や台北の故宮博物院のように大きくないので、チャチャっと見学できちゃう。
建物は王朝時代の立派な造りなので、地元の人たちの結婚記念写真撮影(前撮り)のメッカなのだとか。
でも、どこへ行ってもこんな少々怖い顔をした像があるよね。
大体どこにでもこんな像。
例えるなら神社の狛犬みたいなのとか、沖縄のシーサーみたいな感じかな。
バリ・ヒンドゥーでは絶対神として「サンヒャン・ウディ・ワサ」が存在し、その化身として創造の神「ブラフマ」、生命維持の神「ヴィシュヌ」、破壊の神「シヴァ」の3神が存在するとされている。
そしてそれらの神々は自分の周りの至る所に宿っていると考えられていて、そういうことを街中の多くの像が象徴しているのかもね。
さすが「神々の島」と言われるだけのことはあるね
でも、いつも神様が見ているという気持ちでいれば、常に善行をしようという気になるのかな。
ちなみに、インドネシアの国章であると共に国営ガルーダインドネシア航空の名前にもなっている「ガルーダ」はヴィシュヌ神を背中に乗せて天空を飛ぶ巨大な鷲のことなんだそう。
ビーチリゾートのバリも、歴史・文化という面からちょこっとかじって見るのも面白いよね。
でも、せっかくバリに来たのだから明日は、サヌールビーチでダイビングして、それからデンパサールのバリ・モールでショッピングだね。
もちろん地元の味も堪能したいので、クタビーチあたりのお店でナシゴレン(焼飯)でしょ、サテ(焼き鳥のようなもの)もいいね、あとロントン(お餅みたいなもの)もいっちゃおうかな。
とりあえずは、このヌサドゥアビーチのテラスで夕陽を見ながらビールだね!
おっと、その前に神様に今日1日の感謝だ。「テレマカシ~(ありがとう)」。
なんちゃって。
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