カナダだけど、ここはフランスだ!?

ひとつの都市の住民の半数以上がフランス系という場所がフランス以外で世界に1カ所だけあるという。
それはカナダのモントリオールらしい。

ということで、その”ほぼフランス”を目指すことにした。
カナダでフランス?1粒で2度美味しいということなの?

・道路標識はフランス語
・石畳の街は19世紀の香り
・ダウンタウンから旧港へ
・緑も多い大都会
・モントリオールらしさとは

日本からモントリオール・ピエール・エリオット・トルドー国際空港までは直行便がある。
機内食を食べたら、すぐ熟睡。寝つきは相当いい方みたい。

ちなみに、食事をしたにもかかわらず夢の中で僕は、メープルシロップがたっぷり掛かったホットケーキを食べていた。
こう言うのを食い意地が張っていると言うのだろうか?

道路標識はフランス語

モントリオールと聞いて思い浮かべるのは、1967年の万国博覧会、1976年のオリンピック、それにモントリオール国際ジャズフェスティバルあたりかな。

モントリオールはセントローレンス川とオタワ川にはさまれた場所で、ケベック州の最大の都市。
経済規模はオンタリオ州のトロントに次ぐ、カナダ第2の都市。

僕は空港でレンタカーを借りることにした。
行きたいところへいつでも自由に行くにはレンタカーに限るよね。

空港から街の中心までは約20㎞なので30分もかからない。
それに時間もまだ早いので、ハイウェイをちょっとぶらついてみた。

カナダもアメリカと同じで通行料の掛かる道はほとんど無い。
文字どおりのフリーウェイ。
それとアメリカと違って道路の距離表示がマイルではなくキロメートルなのが分かりやすいよね。

少し車を走らせただけで、国土の広さを実感しちゃう。
カナダで2番目に大きな都会なのにハイウェイをちょっと走るだけで、大地の広さを実感する。
売る程土地が余っているって感じ。

で、そろそろモントリオールに引き返そうと道路標示を見ると、何か違和感…。
そうだ思い出した、レンタカーを借りる時に受付のお姉さんに言われたんだ。
標識はフランス語表記だからモントリオールを目指す時は「MONTRÉAL」(モンレアル)だよって。
つまりモントリオール市中心へは720号線を行けばいい訳ね。

ちなみに、右のレーンはアメリカとある。
う~ん、スケール感が日本じゃないのを実感!

石畳の街は19世紀の香り

街の雰囲気をしっかり肌に感じるならダウンタウンに行くしかないでしょう。
旧市街には味のある古い建物がたくさん残っている。
早速いつもの僕のスタイルの街歩き「行き当たりばっ旅」だ!

これはモントリオール市庁舎。
1878年に建てられたものだけど、バロック様式の美しさは見ていて飽きないね。

この周辺には同じような時期に建てられた裁判所や博物館、教会などもあり「北米のパリ」と称されるのも頷ける。
まさに古き良き時代が今ここにある…的な感じだね。
なお、市庁舎の1階は自由に見学することができる。

市庁舎前のノートルダム東通りを渡ってコミューン東通りまでの緩やかな坂が「ジャック・カルティエ広場」。
周りにはたくさんお店があって、僕はほとんど見るだけだけれど結構楽しい。
夏場は大道芸なんかも見られるらしい。

ジャック・カルティエという人は、1535年にヨーロッパ人として初めてモントリオールに来た人で、カナダという国名を付けた人とのこと。

なお、奥に見えるでかい塔は「ネルソン記念柱」。
あのトラファルガー海戦で活躍した人らしいけど、塔が大き過ぎて近寄るとネルソン提督が見えないという難点があるみたい。

こちらはコミューン通りにある「ボンスクール・マーケット」。
この市場ができたのが1844年というから、江戸時代!
手前の馬車は観光用だけど、この写真だけを見ると19世紀はこんな風だったかなと思えてしまうから不思議。

フランス風の重厚な石造りの建物と石畳に佇む馬車、どこからどう見ても100%中世ヨーロッパの雰囲気で、カナダ感ゼロだね。

ダウンタウンから旧港へ

ダウンタウンのすぐ東にセントローレンス川が流れていて、その一部が旧港のリバーフロントとして約2㎞に亘って遊歩道などが整備されている。

では、リバーフロントの方に向かってみようかな。

ジャック・カルティエ広場からセントローレンス川の港までは歩いてすぐ。
途中の廃線跡では市民や観光客がくつろいでいたよ。

旧港の道路標識。フランス語表記。

ケベック州では1977年から州の公用語がフランス語になり、公的な全ての表示がフランス語になっている。
一般のお店などでもフランス語に英語の表記を付けることは良いが、英語のみの表記は禁止になっているのだそう。

なお、左の建物は「ノートルダム・ド・ボンスクール教会」。建物内には「マルグリット・ブールジョワ博物館」があり、17世紀フランスからやってきてノートルダム修道会を設立したブールジョワさんの功績を伝える博物館とのこと。
彼女は当時としては先進的な、人種や性別を問わない平等な教育を施した人物らしい。

埠頭の先には時計台がある。
のんびりと散歩するには打って付けのロケーションで、こんな場所が僕は好きなんだけれど、団体のパッケージツアーだと来ないかなぁ。

セントローレンス川に架かっている奥の橋はジャック・カルティエ橋。

旧港には観光遊覧船の他、レストランやバーになっている船も停泊している。
ちなみに、カナダでは結構多くのレストランでは「B.Y.O.」のシステムをとっている。
これは「bring your own」の略で、アルコール飲料の提供は出来ないので「自分の分は自分で持ってこい」、つまり酒が飲みたい人は自分で持ち込みなさいという意味。
確か、オーストラリアでも同様の仕組みがあったね。

緑も多い大都会

街なかを歩くと公園だけでなく、広場などに結構緑が多いことに気づくよ。

パーキングメーターは、もちろん自動車用で、自転車はただ繋いであるだけ。
でも、街歩きしているとこんな何気ない風景が何だかいいんだよね。
だからどうだって言う事も無いけれど、本当にアマノジャクだね。

街中に緑が多いだけでなく、大都会の割には高いビルが少ない感じがするのは、本当に高いビルが少ないから。
ちなみに、モントリオールでは街の郊外にある「モンロワイヤル山(233m)」より高いビルの建設は禁止されている。

日本で言えば東京都庁第1本庁舎(243m)位に相当するけれど、実際にこの高さ制限に近い高さのビルはほとんど無いみたい。

モントリオールらしさとは

同じ街に何日か居ると、その街の雰囲気をしっかりと感じられるような気がするね。
住むように旅をする…のんびり旅の醍醐味かな。

子供たちに注意という標識だけど、何だか優しい印象で分かりやすい。

モントリオールの人口は300万人を超えているのに、緑も多く自然も豊かで街全体がとてもゆったりした印象。
街全体が古き良きヨーロッパの味わいを残しているからかも知れないけど、住みたい街ランキングで常に上位にあるのがよく分かる。

これは「アンダーグラウンド・シティー」、つまり地下街だけど世界一なんだ。
何が世界一かと言うと、ここの地下街の総延長は何と32㎞もある。
東京の八重洲や大阪の梅田地下街の比じゃないね。

実はモントリオールは夏は最高気温が30℃にもなる反面、冬の最低気温はマイナス30℃にもなることがある。
おまけに多い時には積雪が2mにも達することもある環境的にかなり苛酷な場所。

そこで発達したのが1年中快適に過ごせる地下という訳。
ここにはおよそ全ての業種があり、人工の川が流れ、部分的に空も見える工夫がされているので、とても開放感がある。
ある意味「アンダーグラウンド・シティー」がモントリオールらしさかもね。

さて、そろそろモントリオールを後にして西海岸を目指して出発するね。
道路も広いし、カーナビも付いているから大丈夫!

あ!ひとつだけ心配があった。
カーナビの音声案内がフランス語なんですけれど…。

なんちゃって。