ハプスブルク家の足跡を辿って

かつてヨーロッパで栄華を誇ったハプスブルク家。
詳しくは知らなくても名前くらいは聞いたことがあるかな。
スペインのあるイベリア半島も16~17世紀にハプスブルク家が支配したのだけれど、その足跡が首都マドリードにいろいろと残されているという。

ということで世界史のおさらいにちょっとマドリードへ飛んでみた。

・西ヨーロッパ最大の宮殿
・かつてのマドリードの中心
・父以上の像を望んだフェリペ4世
・ドン・キホーテとサンチョ・パンサ
・やはり旅は街歩き
・夕方は夜の10時!?

日本からスペインのアドルフォ・スアレス・マドリード・バラハス国際空港までは直行便でひとっ飛び。
首都マドリードは、もちろんスペイン最大の都市。

同じヨーロッパの都市でもパリやロンドンなどとはマドリードは雰囲気が全然違う。
やはりフランスとの境であるピレネー山脈を越えると違うのかな?
上手く説明はできないけれど…。

西ヨーロッパ最大の宮殿

バラハス国際空港からマドリードの中心までは地下鉄ですぐ。
マドリードは昔から水が豊かだったことから、9世紀頃からアラビア語で「水の源」を意味する「アル・マジュリート」と呼ばれ、その「マジュリート」が訛って都市名の「マドリード」となったらしい。

ではハプスブルク家の足跡を訪ねて、まずは王宮へGO!

王宮は16世紀に建てられたけれど、1734年に焼失したためフェリペ5世の命により再建された。
フェリペ5世はハプスブルク家出身のマリア・テレーズの孫に当たる。

建物は大体150m四方あり、部屋数は2700程で西ヨーロッパで最大と言われるだけのことはあるね。
200年近くに亘って実際に国王の住居だったそうな。
ネオクラシックの外観は重厚で威厳が感じられるね。

王宮内には「玉座の間」や「音楽の間」など部屋も調度品も溜息が出る程に絢爛豪華。
飾ってある絵画や天井画にも当時の絶大な権力と富が見て取れるよ。
珍しいところではこの写真は「王室薬局」。
薬草などが沢山の瓶に入って並び、王室の人々の処方箋なども残されているとのこと。

王宮は特別な行事が無い限り内部は一般公開されていて、曜日や時間帯によっては無料になるので、予め調べておくとお得に入れるよ。
(王宮内部には撮影禁止エリアがあるので注意してください)

かつてのマドリードの中心

王宮から歩いて10分程の所にある「マヨール広場」は、柱廊に囲まれた綺麗な広場。
ハプスブルク家時代にはここがマドリードの中心だったそうな。
ここは15世紀にマドリードで初めて市場が開かれた場所でもある。

この広場では市の他、闘牛や裁判、時には公開処刑なども行われ、それを周りの建物の237カ所のバルコニーから見ることができたとか。

広場の真ん中にはこの広場の整備を命じたフェリペ3世の銅像が建っている。

マヨール広場では今でも様々な催事に利用され、この日は肖像画を描いてもらえるイベントが行われていた。
また、建物の1階にはバルや食堂なども入っている。この周辺には1725年創業で世界最古といわれるレストランもあるよ。
なお、色々と買い物をするなら隣のサンミゲル市場へ。

僕は夜にもう一度来て、バルでビールとタパスを注文したけれど、安くておいしかった。
長居しないで、チャチャっと飲んで帰るのが粋だね。

父以上の像を望んだフェリペ4世

王宮の周りには王宮を取り囲むように広場や庭園が配されているけれど、東にあるのが「オリエンテ広場」。
オリエンテは東という意味なので、要は「東の広場」ということ。

元は中世以来の住宅が建っていた場所だけど、ジョゼフ・ボナパルト(ホセ1世)がそれらを一掃して広場として整備させたとのこと。

ちなみに、ジョゼフ・ボナパルト(ホセ1世)はあのナポレオン・ボナパルトのお兄さん。

広場の中央に建つのがフェリペ4世の騎馬像だけど、像の制作に際してフェリペ4世は「マヨール広場にある父フェリペ3世の像よりも立派な騎馬像にすること」と命じたらしい。
確かにマヨール広場のフェリペ3世像と比べると、このフェリペ4世像の方がかなり大きい上、馬や王のポーズもより躍動感があるように見えるね。
でも、親子で何かこだわりがあったのかな?

ちなみに、馬が前足の両方を高く掲げた像は今では各地で見られるけれど、技術的には大変難しかったため実際に制作されたのはこの像が世界初なのだそう。

像は台座に至るまで立派な彫刻が施されている。
また、この広場には歴代のスペイン王の像も20体置かれている。

ドン・キホーテとサンチョ・パンサ

王宮から北へ10分程歩いたところにあるのがスペイン広場。
マドリードきっての目抜き通りであるグラン・ビアの起点となるので、観光客はもちろん地元の人でも賑わう場所。

スペイン広場にあるセルバンテスの噴水は「ドン・キホーテ」の第二部出版を記念して1930年にアルフォンソ13世の命により整備されたものだとか。
小説の主人公ドン・キホーテと従者サンチョ・パンサの銅像をセルバンテスが見下ろしているよ。

左の高いビルはマドリードタワー、右の大きいビルがスペインビル、どちらも1950年代に建てられたもので街のランドマーク的存在。

広場にいた騎馬警官。

馬の尻尾を近くでまじまじと見たことはあまり無かったけれど、よ~く見ると馬によって長さが結構違う。
個人(個馬)差かな?

騎馬警官はスペイン広場に限らず、観光客が多く来そうな場所にいたよ。
スリやひったくりが多いからだと思うけれども、警官だけが立っているよりも何だか頼もしいし、とても絵になる感じだね。

この後この2人と2頭の騎馬警官は暫く僕の後を付いてきた。
スリに狙われそうな頼りないおじさんに見えたのか、あるいは怪しい東洋人に見えたのか…

やはり旅は街歩き

名所・旧跡も良いけど、やはり知らない街はとことん歩くのが僕のスタイル。
新しい発見や思わぬ出会いがあるかも…と思うだけでも楽しい。

僕が訪ねたのは夏。南ヨーロッパだから当然クソ暑い。
でも、マドリードは標高が約700m近くあり、湿度も低くカラッとしているので、日陰に居ればさほど苦にならないね。
だから街中にはあちこちに露天が開かれている。
大きなショッピングセンターなどもいいけれど、その街を感じるには露天や市場が一番だね。

バス停でも平気で車を停める人が多いせいか、バスも平気で中央車線で停まってドアを開ける。
お客さんも何事も無かったように乗り降りしている。
ここではこれが普通みたい。

左の建物はプラド美術館。その横にはゆったりとした歩道が続いている。
美術館を見た後にここをゆっくりと歩いてその余韻を楽しむのにピッタリかも。

ちなみに、プラド美術館はスペイン王室のコレクションを中心に1819年に開館したもので、エル・グレコ、ベラスケス、ゴヤの3大巨匠は必見。
入場無料になる時間帯があるので是非行ってみてね。

世界中どこへ行っても、この手の人は必ずいるね。
多分、旅行者だろうけれど時間にも場所にも縛られることなく、自由な旅スタイルは好感が持てる。
旅はやっぱり「行き当たりばっ旅」に限るね。

夕方は夜の10時!?

ヨーロッパの夏は昼の時間が長い。
日の出が6時位で日の入りは21時位なので、僕としては目一杯の街歩きができて嬉しい。

これは夕方の空。
日没後の残光がとっても綺麗だけれど、これで21時過ぎ。ちゃんと夜になるのは大体22時位から。

今回の旅でスペインを支配したハプスブルク家の足跡を沢山辿ることができた。
その権力と財力は歴史の記憶の中にしっかりと残されている感じだね。

ハプスブルク家自体はいまも続いていて、末裔のほとんどはウィーンに住んでいるんだって。
ちなみに、日本人にも末裔の方がいるんだって。

さて、もうすぐ22時。
かつてのハプスブルク家の人々もこれと同じような夕方の風景を眺めたのかなぁ…と思いつつ、バルに繰り出して今日はエビのアヒージョのタパスでセルベッサ(スペイン語でビールのこと)をグイッといっちゃおうかな。

なんちゃって。