世界で最も活動が活発な火山のひとつ「キラウエア火山」。
ハワイ諸島の1番南のハワイ島にある。
この火山にはペレが住んでいるという。
もちろん、あのサッカーの神様ペレとは関係無い。
同じ神様でもこちらは、昔からハワイの人々に敬われてきた女神のペレ。
とっても美しいがちょっと難点もあるらしい。
そんなあたりを確かめに、火の山へ行ってみよ~っと
キラウエア火山へはハワイ島東海岸のヒロ国際空港からは車で50分くらい。
日本からの直行便があるコナ国際空港からだと2時間半くらいで行ける。
ハワイ島がハワイ諸島の南端だというのは分かったけれど、ハワイ諸島の8つの島の名前は全部言えるかな?
北から順番に、ニイハウ、カウアイ、オアフ、モロカイ、ラナイ、マウイ、カホオラウェ、そしてハワイ。
ちなみに、ニイハウ島は個人所有なので勝手に立ち入ることはできないのだそう。
キラウエア火山は国立公園として整備され、総面積は1,335㎢。
また、ハワイで唯一世界自然遺産世界遺産(自然遺産)に登録されている場所。
車1台につき25ドルの入場料を払えば7日間有効なので、何日間かかけてじっくり楽しむのもいいかも。
「キラウエア」とはハワイ語で「噴き出す」という意味。
確かに20世紀中だけでも45回も大きな噴火をしているのでこの言葉どおりだね。
キラウエア火山国立公園の中心を成すのが山頂にある直径約4.5㎞の「キラウエア・カルデラ」。
その中でも1番活発な活動を続けているのが、この「ハレマウマウ・クレーター」。
直径は約1㎞で僕が行った時は、噴煙はあちこちから噴き出ていたけれど溶岩を伴う噴火は見られなかった。
しかし、その後何度か大きな噴火をして、最近では2020年12月には溶岩ドームが形成されたりして、景色はこの写真とはかなり違っていると思う。
気になる人は、どうぞ行って確かめてね。
キラウエア・カルデラを囲むように「クレーターリムドライブ」という1周約18㎞の周回道路が整備されていてのんびり走ると気持ちがいい。
また、この道路沿いには何カ所かクレーターを見られる展望所が設けられていて、火山の雄大さを肌で感じることができる。
周回道路沿いには博物館や火山観測所、溶岩トンネルなどもあり、ビジターセンターの近くには火山を見ながら泊まれる「ボルケーノハウスホテル」なんかもあるよ。
火山の周りを車じゃなく、徒歩や自転車、馬などで楽しみたいという方のためにトレイル(遊歩道)も整備されている。
さて、目的のペレだけれど彼女はこの火口の中に住んでいるらしい。
だから火の神と呼ばれて大変美しいのだけれど、負けず嫌いで気性が荒く気に入らないことがあると文字どおり直ぐに噴火すると伝えられているんだ。
ちなみに、2020年12月の噴火の影響で一部施設の閉鎖や道路・トレイルの通行止め箇所があるみたいなので、行く時は最新情報をビジターセンターで必ずゲットしてね。
公園内には何カ所かピクニックパークが設けられていて、トイレや水場も整備されているのでランチを広げるにはピッタリ。
ハワイは常夏だけれどキラウエア火山は山頂の標高は1247mなのでビーチと同じ服装のままだと少し寒く感じることもあるので、可能なら少し羽織るものがあるといいかも。
火山から流れ出た溶岩が海に達するまでの見渡す限りの風景が火口の南東方向に広がっている。
その溶岩台地の中を進む道が「チェーンオブクレーターズロード」。
その名のとおりかつて噴火した火口を連続して見ながら下って行ける。
溶岩の原野の中の道は、かつて州道11号線から分かれて海沿いを経てまた11号線に繋がる130号線だったけれど、溶岩によって途中が無くなってしまった。
海沿いまで下りる途中には何カ所か展望所があるけれど、どこで見ても風景はほぼ同じって感じだね。
周回道路のクレーターリムドライブからチェーンオブクレーターズロードを約32㎞下った先が終点。
溶岩で道が無くなっているのが生々しく分かる。
これは1990年の噴火によってできたもの。
注意書きには1番に「のどの渇きと熱中症に注意するように」という主旨のことが書かれている。
確かにハワイだから暑い上、休憩できる場所や日陰なども無いので水分補給は大切だね。
地面(=溶岩)に触れてみると場所によって熱を感じる。
地球を感じるとも言えるかな。
注意書きにもある「熱い溶岩に雨がかかって水蒸気(=霧)が発生することがあるので、特に雨の日には注意すること」って。
キラウエア火山から噴き出した溶岩が海にまで達して、1983年以降だけでも島の面積が220ヘクタール広がったそうな。
でもそれと同時にいくつもの町が溶岩の下に消えているんだって。
ここを歩いてみると、所どころに標識とか家の一部と思われる残骸が溶岩の間から出ていて、確かにこの下に人々の生活があったことが偲ばれる。
このチェーンオブクレーターズロードの終点を観光する場合、行き帰りの道路だけでも60㎞以上あるので、少なくとも2時間は見ておく必要があるよ。
それと、この近隣にガソリンスタンドは無いのでレンタカーで行く時は、燃料に余裕を持って出かけることが大切だよ。
キラウエア火山国立公園から少し離れたプナルウでも溶岩に触れることができるよ。
ここは黒砂海岸として有名で、黒いのは元が溶岩だったから。
カラパナも黒砂海岸で人気だったけれど、残念ながら溶岩流に飲まれてしまったそう。
子どもたちが見つめる先にいるのが、ハワイ語で「ホヌ」と呼ばれるアオウミガメ。
休憩している亀を気遣う看板が立っているけれど、日本語表記が「亀を触る事は禁断です」とある。
「禁止」と普通に言うより、「禁断」の方がある意味面白いと思うのは僕だけだろうか…。
なお、溶岩はペレの体の一部と考えられているので、たとえ小さくても持ち帰った者には災いが降りかかると言われているので、ご注意を!
ハワイ島は自然が豊かなので、南国の植物もたくさん見ることができる。
これはハワイの固有種の「オヒアレフア」という木で、ハワイでは広く見られる。
小さな赤く細い花がポンポン状に付く。
炎のような花が火の女神ペレを連想させることから、オヒアレフアは昔からペレのキノ・ラウ(化身)として大切にされてきたそうな。
また、女神ペレがオヒアという青年に一目惚れしたものの、彼にはレフアという恋人が既にいた。
それに激怒したペレはオヒアを木に変えてしまったが、あまりに嘆き悲しむレフアを見て反省してレフアをオヒアの木に咲く花に変え、2人はまた一緒になれてメデタシメデタシという伝説もあるらしい。
だから、この花を摘むとまた離れ離れになることを悲しむレフアの涙よって雨が降るという言い伝えもあるそうな。
これは、ハワイ在来種の「ナウパカ」。
花がちょうど半分に切られたような形が特徴的なため、これにも伝説があるみたい。
火の女神ペレがある時イケメンに恋をした。
しかし、彼には既にちゃんとした彼女がいたため嫉妬し怒り狂って2人を引き裂くために、彼を海に彼女を山に追いやり花にしてしまった。
そのため、それぞれの花は花弁を半分しか咲かすことはできないとのこと。
ちなみに、海の近くに生える種類は花弁が広めで、山に生える種類はそれより細めなんだそう。
でも、昔からハワイの人々は女神ペレを敬ったと言われているけれど、ペレさんはどう見ても嫉妬深い乱暴者にしか思えないんですけれど…。
これは日本のお花屋さんでもよく見かける「極楽鳥花」。
ハワイのホテルの庭に普通に咲いていたけれど、見た目がいかにも南国って感じだね。
別名ストレリチアとかバードオブパラダイスなど。
これは道路脇で見かけたものだけれど、知らないとまず見過ごしてしまうね。
実はこれはマカダミアの木、つまりぶら下がっている丸い実がマカダミアナッツ。
ところで、チョコレートで包んだマカダミアナッツはハワイ土産の定番中の定番だけれど、これを最初に作ったのは日系人なんだそう。
20世紀の初め頃、ハワイで盛んに栽培されていたマカダミアナッツがチョコレートと相性が良いことに気づき、製品化したところ爆発的な人気を呼んだらしい。
ちなみに、マカダミアナッツは油脂の含有率が大変高いので、停電時のロウソク代わりに使えるとか?
ハワイ諸島あたりに火山が多いのは、ここが地球の中から大地のモトが噴き出す場所だから。
このハワイ島の南約35km南東沖に海底火山(ロイヒ海山)があり、水深975mの海底で活発に溶岩を噴き出している。
噴き出した溶岩はやがて新しい島となり、そのうちハワイ島とつながるらしい。
ただし数万年後の話だけどね。
でも、その頃も女神ペレは、嫉妬で怒りまくって乱暴なことをしているのだろうか?ちょっと心配…。
なんちゃって。
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