ケニアにはアンボセリ、マサイマラ、ツァボ、サンブル、メルーなどたくさんの国立公園や国立保護区があるけれど、そのほとんどがサバンナ。
サバンナは草や背の低い木が基本なので動物は見つけやすい反面、種類はどこも似かよってしまうよね。
ところがナクル湖国立公園は他ではなかなか見られない動物が多く見られるらしい。
ということで僕はナイロビから足を延ばしてみることにした。
首都ナイロビから北西方向に<A104>ロードをおよそ160km走るとナクル湖国立公園に着く。
ここは2011年に「グレートリフトバレー湖沼群」として世界自然遺産に登録されたところ。
グレートリフトバレーとは大地溝帯とも言って地球の中から大地が新しく生まれてくる場所のこと。
人類もこのグレートリフトバレーで誕生したとか。
要はすごい所ということかな。
ナクル湖国立公園は広さが約190㎢で淡路市と同じ位。
アンボセリやツァボなどと比べれば相当コンパクトだけれど、湖があって、もちろん草原や森もあるので、たくさんの種類の動物が見られるんだって。
楽しみ~。
これ全部フラミンゴ。他の公園ではまず見られない光景とか。
ここの水はアルカリ性でフラミンゴの好む藻が豊かに繫殖しているのがたくさん集まる理由で、その数は10万羽もいるそう。
でも、かつては100万羽もいたらしいけれど、水位の上昇によってフラミンゴが食事のできる浅瀬が減ったことによりその数も減ってきているんだそう。
ちなみにフラミンゴがピンクなのは餌の藻の色素のせい。
モモイロペリカンもたくさん来ていた。
他にもアフリカトキコウをはじめここで見られる鳥類は400種類以上あって、バードウオッチングには絶好の場所だね。
冬にはヨーロッパからコウノトリなんかもやって来るらしいよ。
サファリカーとドライバーさん。
見ての通り、湖のかなりギリギリまで車を寄せてくれる。
アフリカの公園にはウシの仲間が結構いる。
これはインパラの雄。特長的な角があるからすぐ分かるね。
雌には角は無い。
最高速度は時速60kmにもなり、この俊足と高さ3m飛距離10mのジャンプ力でライオンなどから上手に逃げる。
ちなみにウシの仲間は蹄(ひづめ)の数が偶数なので「偶蹄類」に分類される。
このうち反芻(はんすう)するのがウシ、羊、鹿、ラクダ、キリンなどで、反芻しないのがカバやイノシシなど。
いつも口をモグモグしてるかどうかですぐ見分けがつくね。
ついでに蹄が奇数なのが「奇蹄類」で、馬、バク、サイなどがその仲間。
こちらもウシの仲間のウオーターバック。立派な角がある雄。
ウオーターバックは他の多くの動物と異なり、水辺を縄張りにしている。
こちらはウオーターバックの雌。
どんな動物もこちらの存在に気付くとジッと見ている。
きっと警戒しているんだろうね。
ウオーターバックは大量の水を飲み、草原の草だけでなく水草なんかも食べちゃうらしい。
で、繁殖期になると雄はニオイで雌が交尾可能かどうかを確認する。
ここナクル湖国立公園では、他ではなかなか見られない動物たちにも出会える。
これは準絶滅危惧種(NT)のシロサイ。
地面の草が食べやすいように口が幅広く平になっているため、先住民がこの動物を「wijde(幅広)」と呼んでいたのを、初めてやってきたイギリス人が「white(白)」と聞き違えたため名前がシロサイとなったとさ。
だから体の色とは何も関係が無い。
ちなみにアフリカにもう1種いるクロサイは、こちらを先に白と付けちゃったため、それと対を成す黒にしたそうな。
適当なネーミングだね。
こちらも準絶滅危惧種(NT)のロスチャイルドキリン(ウガンダキリン)。
他のマサイマラやアンボセリなどで見られるのはほとんどがマサイキリンかアミメキリン。
キリンは水分を植物から摂るので、シマウマやヌーのように乾季に移動しないんだそう。
また、本来草食だけど時には小鳥なども食べることがあるらしいよ。
体の模様は網目がはっきりしたアミメキリンと模様がぼんやりとしたマサイキリンの中間くらいで、脚も膝から下が白いのが特長。
ちなみにキリンの角の数って何本か知っている?
ぬいぐるみではほとんど2本みたいだけれど、完全に成長すると頭頂部の2本に加え、右のキリンのように額の真ん中に1本、そしてもう少し小さいのが耳の後に各1本あって、合計5本が正解。
ナクル湖国立公園からナイロビに戻るついでに、ナイバシャ湖にも寄ってみることにした。
ここにはカバがたくさんいる。カバの体は分厚い皮下脂肪で覆われているけれど、表皮は非常に薄くて、水から上がると人間の数倍早く水分が失われるらしい。だから昼間はずっと水の中にいて、夜中に食事をするそうな。
ちなみに日本語でカバを「河馬」と書くけどこれは、オランダ語でカバを指す「rivier(河)paard(馬)」を直訳しただけらしいとのこと。
ここにもウオーターバック。
自分の縄張りである水の中に悠然とかまえているよう。
ウオーターバックがずっと水の中にいても平気なのは、油分の多い汗を出すことにより毛が濡れるのを防いでいるからなんだって。
サバンナではもちろんお互いに生存競争。みんな生きるのに必死。
ハゲワシが高い木の上にいるのは、獲物を早く見つけるため。
よくハゲワシやハイエナなんかは悪いイメージで言われることがあるけれど、彼らだってライオンやチーターなどと同じように一生懸命生きているんだね。
広いサバンナでグラントガゼルやインパラ、シマウマなどが草を食べている。
のんびり食べているみたいに見えるけれど、やっぱり一生懸命に生きているんだよね。
でも、この雄大な景色はいつまで見ていても飽きないから不思議。
ドライバーさんが昼寝しちゃったので、もう少しこの景色に癒されようかなぁ~。
なんちゃって。
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