何かにチャレンジするのは不思議とワクワクするよね。
決まっている数を全部クリアできた時の達成感は、何とも言えない。
でも、例えば100名山とか言われると、そんなには無理とあきらめちゃう。
ところが3つくらいなら「やってみよう!」という気になる。
そこで世界三大瀑布に挑戦することに決めた。
平たく言えば、すごいと言われている滝を3つ見に行くだけ。
3回に分けたけれど、ついに世界三大瀑布を制覇できたよ~!
世界三大瀑布とは、ナイアガラの滝、イグアスの滝、ビクトリアの滝を指すらしいけれど、はっきりとした根拠は無いみたい。
強いて言えばイグアスの滝は滝の幅が世界一、ビクトリアの滝はピーク時の水量が世界一、ナイアガラの滝はよく分からないけれど、何となくこれでいいみたい。
ちなみに、滝の落差はベネズエラにあるエンジェル・フォールが978mで世界一なのだけれど、滝つぼが無いため滝としては認められていないのだそう。
アメリカ・ニューヨーク州とカナダ・オンタリオ州の境にあり、五大湖のエリー湖とオンタリオ湖を繋いでいる滝。
アクセスは近くのバッファロー空港から車で30分程。
ナイアガラの滝は大きく左のアメリカ滝(落差58m・幅330m)と右奥のカナダ滝(落差56m・幅675m)に分かれている。
川を流れる水の9割はカナダ滝に行くのでカナダ滝の方がはるかに迫力がある。
カナダ滝を見るならテーブルロックの展望所がお勧め。滝を間近に見られるよ。
ちなみに、水による浸食で1950年代までは毎年1m程後退していて、350年程前にはカナダ滝は今よりも300mも下流(左方向)にあったんだって。
滝のすぐ近くまで行ってくれる観光船の「霧の乙女号」に乗ってみた。
当初は川の両岸を繋ぐ渡し船だったけれど、1854年からは観光用として運行されているのだそう。
左端に見えるのがアメリカとカナダを結ぶレインボーブリッジ。
また、このアメリカ滝の右端に見える小さい滝が幅15mのブライダルベール滝。
霧の乙女号は滝までかなり近くまで寄ってくれる。
全員にカッパが配られるけれども水飛沫は結構浴びるよ。
従ってカメラは必ず濡れるので注意してね。
なお、このカッパは使い捨てで下船後に備え付けのゴミ箱に捨てるのだけど、僕は持ち帰ってその後いろいろと重宝している。
この豊かな水は当然、水力発電に利用するよね。これは滝のすぐ近くのSchoellkopf発電所だけど1956年の崩落事故で停止。現在はもう少し下流にある世界第4位の発電量を誇るサーアダムベック発電所が稼働している。
ちなみに、夜間は水量の75%を上流のダムから直接発電所に送っているため、夜中に滝をみるとかなりショボいらしい。
でも、これにより滝の浸食が毎年1mだったのが3㎝に減少したそうな。
しかしそれでも、25000年後には滝は消滅すると言われている。
なお、右に見えるのは236mの高さのスカイロンタワー。
1時間で1回転するレストランで食事も楽しめるよ。
あとは近くにカジノや観覧車なんかもある。
ナイアガラの滝から北へナイアガラパークウェイを車で20分程走ると、ナイアガラオンザレイクという街に着く。ここはこじんまりとした街だけれど、カナダで最も美しい街並みとの評価のあるところ。
街のメインストリートであるクイーンズパレードには、雑貨店やカフェなどオシャレで可愛い店が並んでいる。
この時計台は第一次世界大戦での死者を悼む慰霊碑。
オンタリオ湖も近く、素敵なビーチもあるよ。
この街には1792年、カナダ最初の総督府が置かれた。
つまりカナダはここから発展していったってことだね。
そのため19世紀に建てられた英国風の建物も多く残されている。
この建物は「ナイアガラ薬局博物館」でカナダに於ける最初の薬局だとか。
のんびり歩くには本当に素敵な街。
団体旅行ではまず行くことは無いと思うけれど、ここは是非お勧め!
ブラジルとアルゼンチンの国境にある滝。
イグアスとは先住民グアラニ族の言葉で「大いなる水」という意味だそう。
アクセスはすぐ近くのフォス・ド・イグアス国際空港から車で10分程。
なお、僕が乗った飛行機は着陸直前にこの滝の上で、滝が良く見えるように2回旋回してくれた。
パイロットのその日の気分かどうか…。でも、これは日本じゃ無理かな。
イグアスの滝は落差82m、幅は4500mもあって名実共に世界一。
僕は最初見た時「ふ~ん、こんなもんか」と思ったけれど、それはごく一部しか見てなかっただけ。
上空から見て改めてたまげた。
一番左の部分が「悪魔の喉笛」という観光スポットでここだけで長さが700mもある。
ちなみに、この写真はヘリコプターから撮ったものなんだけれど、僕は高い所が嫌でヘリコプターは何度乗っても苦手。
でも写真を撮るときだけは不思議と平気。
とにかく近くで見るとその迫力に圧倒される。
かつてアメリカのエレノア・ルーズベルト大統領夫人がこの滝をみて「かわいそうなナイアガラ」と呟いたのもすごく良く分かる気がするね。
そして全体感を見たいならアルゼンチン側からだそう。
こちらにも遊歩道があるけれど、大水などで所どころ壊れているので注意してね。
イグアスの滝から下流に下るとプエルトイグアスという街がある。
ここには川を挟んで3つの国が国境を接する大変珍しい場所があり、これはその石碑。
ここはアルゼンチン領の場所なのでアルゼンチンの表示が中央で一番大きい。
右がイグアスの滝から流れて来たイグアス川、左が南米第2の長さのパラナ川(4880km)。
今僕がいるのがアルゼンチンで右の川向こうがブラジル、左がパラグアイと川を隔てて3つの国が一度に見渡せる。
このパラナ川の上流(奥の方)には世界第2位のイタイプー発電所(ダム)があるけれど、ここも途轍もなく大きい。
とにかくみんな笑っちゃう程に大きいのだ。
ジンバブエとザンビアの間にある滝。
1855年に探検家のリビングストンがその偉大さにより英国女王の名前をつけたもの。
アクセスは最寄りのビクトリアフォールズ空港から車で20分程。
このあたりの雨季は11~4月で、3~4月が水量のピーク。
4月と11月では水量が10倍も違うらしい。
僕が行ったのは最も水量の少ない11月だったので、こんな見映えだったけれど、4月だとこの右側の崖全部に水が流れるとのこと。
その際の水煙は1000mの高さにもなるため、逆に滝が全然見えないこともあるらしい。
先住民のコロロ族がこの滝を「雷鳴の轟く水煙」と呼んでいたのも分かる気がするね。
今見えているだけでピーク時の1割にもならない幅だけど、間近でみると迫力はすごいね。
この写真をよく見ると滝の左端に女性が1人腰掛けているのが分かる。
特に柵なども無いので行きたい人は自己責任で行けばいいけれど、僕は遠慮しておく。
また、このザンベジ川は滝に落ちる直前まで流れが緩やかなので、滝のすぐ上にある「デビルズプール」という場所で泳ぐこともできるのでお好きな方はどうぞ。
滝を流れ落ちた水は、ジョージと呼ばれるジグザグの峡谷を作っていく。
ジョージは現在7つあり、その2番目にこのビクトリアフォールズ橋が架けられている。
僕が今いるのがジンバブエで橋の向こう側がザンビア。
橋の中央ではバンジージャンプができるので、111mのジャンプを楽しみたい方はどうぞご自由に。
滝の上流のザンベジ川ではボートサファリのクルーズもできる。
こんなゾウをはじめ、周辺にはバッファロー、キリン、シマウマ、カモシカなどが見られる。
滝からそう離れていないのにこんなに流れが穏やかだけれど、ボ~っとして流されていくと大変なことになるのでご注意を。
滝の近くにはいくつかホテルが建っているけれど、僕が泊まったのはビクトリアフォールズホテル。
1904年創業のコロニアル調の造りは「偉大なる貴婦人」と呼ばれるだけあって十分な歴史が感じられるね。
庭も広く、レストランからはビクトリアフォールズ橋も見える。
ホテル周辺から滝までは遊歩道が整備されていて、説明看板やリビングストンの銅像などもある。
ただ、途中にこんなものがあったのだけれど、蛇口の向きはこれで合っているのかなぁ…。
世界三大瀑布はどれも迫力に圧倒されるけれど、3つのうちナイアガラの滝だけは世界遺産に入っていないのだそう。理由は分からないけれど、見て感動できればそれでいいよね。
ちなみに、日本の三大瀑布は華厳の滝(栃木県)、那智の滝(和歌山県)、袋田の滝(茨城県)の3つらしいのだけれど、1番目と2番目は誰もが認めるところだけれど、3つ目は諸説あるみたい。
なので、3番目は自分の好きな滝にしようかな、たとえば故郷の滝とかね。
なんちゃって。
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