ここは大西洋のハワイだ

大滝詠一の曲「カナリア諸島にて」を聞いた人は多いけれど、カナリア諸島に行ったという人は多くないだろう。

スペインのマドリードから国内線の飛行機で3時間弱のところにある諸島だ。

カナリア諸島は7つの島から成り、アフリカ大陸からは100~500㎞離れている。

年間の平均気温が21℃と常春なのと、年間の晴天率が300日と安定した気候のため「大西洋のハワイ」と呼ばれ、ヨーロッパからの観光客が多いのが特長。

最大の島、テネリフェ島へ

7つある島の中で一番大きいのがテネリフェ島で、広さは沖縄本島と佐渡島を合わせたくらい。訪れる観光客の数も7島の中で一番多い。空港でレンタカーを借りて、いざカナリア探検へ!

ハイウェイは整備されていて運転は快適だ。

ちなみに、カナリアとはラテン語で「犬」という意味。昔、この島には野犬が多かったためだとか、でも今は野犬はいないらしい。また、鳥の「カナリア」はここが原産地とされることから名付けられたそうだが、「犬という名前の鳥」と考えると何か変。

ハイウェイの制限速度表示はマイルではなくキロメートル。

島を一周するハイウェイには、何ヵ所かサービスエリアがあり、ガソリンスタンドや売店は日本と同じだが、驚いたことにちゃんとしたバーが併設されている。ビールも置いているレストランということではなく、酒瓶がカウンターに並んでいる普通のバーだった。もちろん僕は飲んでいませんよ。

ハイウェイで馬の運搬中。

一般道では、たまに馬に乗った人も…。

街の中にも発見が

テネリフェ島には17~18世紀の大航海時代の建物が残っている旧市街が世界遺産になっている所もあるが、他の所もゆっくり回ると結構興味深い。

暖かい南の島だけど、同じ青空の下でも南太平洋や東南アジアとは印象が何となく違う気がする。どことなくヨーロッパの気品のような雰囲気が漂っているようだ。

それと路肩駐車は現地の人はわずかのスペースを見つけて上手に止めている。僕はというと空きスペースさえ見つけることができず、ついに一度も路肩駐車できず終い。

アントニオ・ガウディを彷彿させるような店頭デザインの店も発見。さすがスペインとしばし感心。

世界遺産テイデ国立公園

テネリフェ島には、旧市街とテイデ国立公園の2つの世界遺産がある。中でもテイデ山はテネリフェ観光のハイライトと言える。

テイデ山は標高3718mと富士山よりちょっと低いくらいだが、スペイン国内での最高峰、だから冬は雪が積もる。

観光客の車で連日この通り。

ロープウェイで9合目まで上ることができる。

遥か彼方に大西洋が望め、左に少し見えているのが、カナリア諸島で2番目に大きいグラン・カナリア島。

山頂駅付近の展望台。火山でできた山だということが風景でよく分かる。

ロープウェイに乗るともらえる缶バッジ。

のんびり、ゆっくり、島一周

テネリフェ島南部にある人気ビーチ「アメリカス海岸」。人の多さがコテコテのリゾート感満載という感じ。

時々、海の方から壁のような雲が湧いて来る。でも、雨にはならない。

テネリフェ島ではワイン造りも盛んで、ぶどう畑も広がっている。右のフェンスの中に生えているのがぶどうの木。

高さは1mも無いが、立派にぶどうが実っている。これなら収穫が楽だろうね。

テネリフェ島には見どころが他にも一杯あるはずだが、実は5日間の滞在中毎日テイデ山へ行っていたのだ。

あの荒涼とした風景に魅せられたのか、何時間もただボ~ッとして山と青空を見ていた。特に理由などないが、心がす~っとするような気分だったのだ。

あ~、やっぱり僕は、短時間であちこち回る団体旅行には生涯無理な体質なのかな?

なんちゃって。