古都の路地裏テクテク散歩

ローマやミラノ、ナポリなどと並ぶイタリアきっての観光都市ベニス。水の都、アドリア海の女王などと称される美しい街並みは丸ごと世界遺産。

中世には地中海最大の覇権を誇った都市国家「ヴェネツィア共和国」の基本的な街の景観は400年前とほとんど変わらないらしい。

ベニスの有名な観光スポットは多くの方が知っているので、今回は観光客があまり行かないような路地裏を散歩してみた。

ベニスの玄関口 

団体旅行の場合、他の都市や空港からバスでベニスに入るというパターンが多いはず。

サンタルチア駅(右の建物)前の水上バス乗り場
 
でも、個人旅行ならほとんどの場合、本島西側にあるサンタルチア駅に列車から降り立つだろう。目的の場所へは駅前から水上バスに乗って各地に行けるけど、ベニス本島はそう広くないので、元気なら歩くのが一番。

観光と言えばサンマルコ広場

ベニスで最も有名な観光スポットは、サンマルコ広場周辺だ。

サンマルコ寺院、ドゥカーレ宮殿、鐘楼、コッレール博物館などをはじめ、ショッピング街、レストラン、有名なカフェなど、短時間型の団体ならここを見て食事をし、ゴンドラに乗ってベニスは終わりということも少なくないはず。

 

 

左の鐘楼の前がサンマルコ広場

確かにサンマルコ広場周辺を見て、イカ墨スパゲッティを食べて、ゴンドラに乗れば一応ベニスの雰囲気は感じられるけど、それだけではちょっともったいないかもね。そこで、もうちょっとディープなベニスを探してみましょう。

路地裏にこそ街の香りが

まずは、街全体を見渡して見よう。

鐘楼から見た北方向、遠くアルプスの山並みが見える

ベニスは元々ラグーナと呼ばれる湿地だった。そこを1500年の歳月をかけて埋め立てることで、177の島を150の運河が囲い、それを400もの橋が繋ぐ現在の姿になったとさ。

サンマルコ広場から足を延ばして

観光客はサンマルコ広場とリアルト橋、そしてそれを繋ぐメインストリートに集中する。

つまりそこから少し離れれば、人混みに煩わされることなく、街をゆっくりと散策できるという訳。

ベニスの交通のメインはあくまでも水上なので、陸の道は結構狭い。でも自動車だけでなく自転車も無いので安心して歩ける。また、観光客目当てではない食堂や安ホテルなども見つかるよ。

小さな運河に架かる橋からゴンドラをゆっくり見るのもいいかも。ゴンドリエーレ(ゴンドラ漕ぎ)の巧みなオール捌きで、狭い場所もいとも簡単に通り抜けていくのが見える。

ちなみに、ゴンドラは船体の右側にオールを出して漕ぐため、船体の左側は右より24㎝膨らむように幅広くなった左右非対称。ゴンドラは全て手づくりで、1艘建造するのに3カ月くらい掛かるそうな。

窓に生活が見える

ベニスに限らず窓や壁などを見れば家の中に入らなくても、そこに住む人々の生活が何となく感じられるもの。 大都会のマンションならそんな事はないだろうが、古い街並みの路地裏には、不思議とそんな雰囲気が残っている。

一般的な住宅はほとんどが4階建てでレンガづくりの上から漆喰を塗ってあり、所どころに見られる漆喰の剥がれ落ちが時の流れを感じさせる。 また、窓辺には必ずと言って良いくらい何かしらの花が飾られており、洗濯物などと共に生活感が思いっ切り溢れている

当然だがほとんどの家には運河側にも玄関があります。また、このように向かいの家との距離が近い場合は、物干しロープを自宅の窓と向かいの家の壁の間に張って使用する。ロープはそれぞれの壁面の滑車に付けられているので、干すのも取り入れるのも便利。

市場も覗いてみましょう

中心から離れると観光客目当ての高級ブランド店は姿を消し、地元に暮らす人たちのためのお店が並ぶ。

魚屋さんの店頭には地元アドリア海で揚がった新鮮な魚介類。1日中売っているのではなく、売り切れたら閉店と至って自然体。

こちらはお花屋さん。岸に船を付けてその場で販売する。見ていると結構地元の方が買っていく。

薬局の看板。店それぞれに凝ったデザインの手づくり看板が掲げてあり、それを見て回るだけでも面白い。

給油機から長いホースが海の方に伸びている。そうここは船用のガソリンスタンド。水上タクシーや自家用ボートが次々に給油していく。

東の方にも行ってみよう

本島の中心から東の方へ行くにつれて、人が減るのに反比例して緑が増えてくる。

このちょっと大き目なゴンドラはトラゲットと呼ばれるもので、運河に架かる橋と橋の間隔が広く、渡るために橋まで行くと大回りになるような場所にある渡し。利用者のほとんどは地元の方で、1回に10人前後が立ったまま乗る。安く利用できる大切な地元の足。

釣りを楽しむ方も見かける。ベニスというよりは、どこにでもあるようなイタリアの田舎町という感じかな。

ベニスの中心部には小さな公園はあるけど、どこも草木はほとんど無い。しかし、東の端の方に来ると豊かな緑が広がっている。ゆっくり散策するにはもってこいだが、サンマルコ広場からは30分くらいかかり、周りに買い物や食事のできるところはほとんどないので、一般の観光客はまず来ない。

何日かベニスに滞在してゆっくりと街の雰囲気を感じたいという方は是非足を伸ばしてみてはいかが?

ベニスは何度も行くうちに、だんだん観光客の少ない場所に行くようになってきたみたい。こんな僕はあまのじゃく?

なんちゃって