「ナミビア」― 名前を聞いただけでどこにある国か分かる人は相当な旅行通か地理大好き人間だね。アフリカ南部に位置するナミビアは1990年に南アフリカ共和国から独立した比較的新しい国。
日本を出発して香港、南アフリカ共和国のヨハネスブルグを経由して、ナミビアの首都ウイントフックまで途中の乗り換え時間を含めて約24時間。南米とアフリカ南部はとにかく日本から遠いと、しみじみ実感。
標高1700mに位置する首都ウイントフックは、夏でも暑すぎずとても快適。街並みもドイツ、オランダ、イギリスの雰囲気が混ざり合って、ヨーロッパ文化の香りがする。大きなホテルやショッピングモールもあって、さすが首都って感じ。
ウイントフックから車で30分も走ると舗装道路は終わり、乾いた道が延々と続く。
次の集落までひたすら乾いた道を走る、数時間走っても人はおろか対向車に会うことは希。
ガソリンスタンドは大きな街を離れれば数百㎞先ということもあるので、命が惜しければ給油はこまめに行うこと。でもたまにガソリンが売り切れなんてこともあるので、予備のタンクのガソリンは必須。
日本には無い道路標識「キリン横断注意」
乾いた大地に所どころ枯れたような草が見えますが、ちゃんと生きています。
これはウェルウィッチアというナミビアの固有植物で和名は奇想天外(きそうてんがい)と言うそうな。直径は8mほどまでになり、根は最大10mまで伸ばして地下水脈から水を得る。
寿命は2000年程もあるらしい。知らんけど…
砂漠にはスプリングボック、ダチョウ、猛禽類、場所によってはゾウやキリンなどの野生動物が生息している。
でも年間の晴天日が300日以上、年間降水量が日本の10分の1以下と生きる環境はマジ苛酷。
また気温も昼間は45度位に達することもあって、生存競争に負ければこのような結果に・・・。
これはスプリングボックの骨らしい。
南北1288㎞、東西161㎞のナミブ砂漠は8000万年前にできた世界最古の砂漠であり、また海岸沿いにある世界で唯一の砂漠でもあるのだ。
デューン45
ナミブ砂漠の南部はナウクルフト国立公園。その一帯はデッドフレイ(死の谷)と言われ、デューンと呼ばれる砂丘が50も連なり公園の入口から1,2,3,・・と番号が付けられている。
このデューン、簡単に登れそうに見えるが、とんでもございません。砂に足を取られて頂上まで悪戦苦闘、稜線から外れるとアリジゴク状態で滑り落ちてしまう。砂遊びどころか、砂に遊ばれてしまう。
砂漠でよく見かけるダチョウ
ダチョウは普通、群れで生息している。20頭ほどの団体が全力で駆け抜けていくさまは迫力があるよ。
ちなみにダチョウで羽全体が黒いのがオス、灰色のがメス。
デッドフレイの一番奥はソーサスフレイと呼ばれる場所で、不思議な風景に出会える。
ここまで来るには4WDの車でないと無理。
かつて湖だったらしいソーサスフレイはいくつかのデューンに囲まれた不思議な広い空間。立ち枯れた木が残された平らな場所は、かつて湖だった場所で白っぽく見えるのは塩の結晶とか。 「ナミブ」とは地元のサン族の言葉で「何も無い」という意味だが、それが確かに実感できる場所だ。
クララデザートロッジ
今回宿泊したクララデザートロッジはナウクルフト公園の入口から車で20分ほどの場所にある。
土と草で出来た部屋には一応ベッドとシャワーはあるものの、壁の隙間から砂が吹き込んできて、床は常に砂だらけ。梯子で部屋の上へ登れるようになっていて、希望すればマットレスと毛布をこの”屋上”に運んでくれる。
満天の星の下で寝られるのは感動もの。これは是非オススメ。
日本ではほとんど見えないさそり座が高い位置に見えるのは記憶に強く残る。しかし夜中はかなり寒く感じる。
熱気球による空中散歩は是非行ってみよう。
熱気球は朝の早い時間帯しか飛ぶことができない。
それは周りの気温が上がると、気球内の温度との差が少なくなって高度が保てなくなるから。だからまだ暗いうちに離陸の準備を始めるのだ。
熱気球が離陸して程なく夜明け。
朝日を浴びて赤い砂漠が一層赤く見える。大地に映った気球の影が「!(びっくりマーク)」のように見えるのが面白い。
ちなみに砂が赤いのは砂に含まれる鉄が酸化したもので、大西洋の砂が海岸に打ち上げられ、それが風で内陸に運ばれるうちにどんどん酸化されていくので、海岸近くの砂はまだ白っぽく、内陸のものほど赤が濃いのだそう。
気球の着陸地点はその日の風まかせなので、飛んでみなければ分からん。だから気球スタッフの車が常に追いかけて来て、着陸地点で待ち構えてくれる。いくつもあるデューンはサラサラの砂で柔らかそうに見えるけど、下の方は自らの重さで長い年月の間に固い岩石になっているらしい。
世界最古の赤い砂漠「ナミブ砂漠」。一生に一度は訪れたい絶景のひとつだね。いや、一生に何度でも訪れたいが本音かな?
なんちゃって
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