世界一の川で自然を満喫

南米のジャングルと言えば「アマゾン」ですね。その中心的存在はご存知アマゾン川。流域面積はインドの国土の2倍と、世界一の川。ちなみに長さが世界一なのはナイル川、アマゾン川は2番目。

アマゾン川でクルーズやジャングル体験、釣りなどの自然にとことんまみれてみたいなら、河口から1500㎞上流にある「マナウス」がオススメ。マナウスは大きな都市だが、そこから船で少し離れるとしっかりとジャングルが広がっている。

では、密林へGo!と行きますか。

アマゾン川の始まり

川の始まりはほとんどの場合、山の奥の方。その始まりの小さい川は支流でそれぞれに名前があって、いくつかの支流が集まって本流となり、そこから河口まで本流の名前で呼ばれる。では、どこからがアマゾン川なのか?

実はマナウスの下流約10㎞のあたりからアマゾン川という名になる。この場所は川の色が2色に分かれていることで有名な地点だ。

写真中央に白い筋のようなものがあるが、この筋の手前がコロンビアから流れてくるネグロ川の水でコーラのような黒い色、奥側が少し分かりにくいがアンデスに源流を発するソリモインス川からの黄土色の水で、上空からみるとはっきりと違いが分かる。

この2つの支流の水は温度も流速も大きく異なるため、ここから70㎞も混じり合うことが無いらしい。

川を遡ってジャングルへ

アマゾン川は大きな船も通っているが、支流のまた支流を遡るので小さい船に乗る。

マナウスから3時間ほど遡ると支流もかなり細くなってくる。流れはほとんど無く、船はゆっくりとジャングルへ向かう。

この程度の川幅の川は1日船が通らないと、水草が水面一杯に広がってしまうそうだ。そうこうしているうちに、ジャングルの中にあるロッジが見えてきた。

ジャングルロッジは、まさに秘境

近代的なホテルライフを望むならマナウス市内に立派なホテルはある。でも、せっかくアマゾンに来たからには、大自然を満喫してみたいということで、ジャングルの中に建つロッジを訪れた。

ジャングルの中に建つロッジは何ヶ所もある。もちろんお互いに数十㎞以上離れていて、それぞれ船でしか行くことはできない。

バルコニーに出ると聞こえるのは、木の葉の擦れる音や鳥の鳴き声だけで、大自然の中にいるという実感が湧いて来る。

ロッジは全て高床式となっていて、それぞれのコテージやレストランは渡り廊下で繋がれている。

これは雨季と乾季で水位が大きく上下するからだ。アマゾンの乾季は6~11月、雨季は12~5月で、このロッジのあたりではその差は8mにも及ぶらしい。

僕が訪れたのは雨季に入ったばかりの12月だったので、一番水位が低い時期だったため地面が見えているが、5月頃は周り一面が水で満たされて、きっと水上都市のような風景なのだろう。

ちなみに、マナウスでの雨季と乾季の水位の差は16mにもなるそうな。

普通に動物たちがいる風景

大自然の真っ只中なので、野生の動物たちもロッジにやってくる。

日本の動物園でも良くみるコンゴウインコ。でもこれが空を飛んでいるのは動物園ではなかなか見たことは無いだろう。羽を広げると1m以上にもなり、結構な速さで飛んでいくのは迫力がある。

こちらはクモザル科のウーリーモンキー。

ウール(羊毛)のような見映えからネーミングされたもので、確かに全身はぬいぐるみのよう。身長は50㎝ほどの小型の猿。

ロッジにチェックインの際、念押しされたのを思い出した「部屋を出る時には必ずドアを閉めてください。猿が入りますから」と。

ピラニア釣りもやってみた

周りの川にはピラニアがたくさんいる。

小さく切った鶏肉をエサにピラニア釣りに挑戦。浮きも何も要らないシカケでこれがバンバン釣れる。それだけウヨウヨいるということか。

子供の頃、読んだ本には「川を渡ろうとした牛が、ピラニアの集団に襲われてわずか数分で骨だけになった」と書いてあったが、地元住民に聞くと「それ嘘ね」と言って平気で泳いでいた。

ただし怪我をしている時はダメみたい。

30分程でこれだけ釣れた。

料理法はシンプルに唐揚げにしてもらったが、これが美味!フグの唐揚げのような淡白で上品な味だった。

小舟でのナイトクルーズにも行ってみた。地元の人は慣れたもので、素手でワニをいとも簡単に捕まえてしまう。

僕はもちろん挑戦しない。ワニはこの後リリースした。

ナウスの市場

マナウスでもやっぱり市場を覗きたくなったので、ロッジから都会へちょっと散歩がてら出掛けてみた。

市営市場は出来て150年近くの歴史がある。

メインは魚で、アマゾン川で獲れた様々な魚が並んでいるが、どれもだいたい大きい。

こちらも別な魚屋さんだが、包丁持ってる大将がコワイ。

魚屋というよりも革命の戦士という感じ。しかし、こんな大きな魚を一体何人家族で食べるのだろう。

大自然のスケールに圧倒

ゴムのプランテーションで19世紀に大いに繁栄したマナウス。ヨーロッパの雰囲気が色濃く感じられるその街並みがあり、そこから少し船に乗るだけでジャングルという大自然がある、そんな不思議が混在する街。

ここから1500㎞下った河口の幅は300㎞といわれ、これは京都-広島間に相当する距離。

アマゾン川を前にすると、何だか人間が小さく見えてくるような気がする。夕陽に向かってそっとつぶやく「明日もいい旅ができますように」。

なんちゃって。

(文中の数字は諸説あるものもあります)